クラリネット作品 ~過去からのメッセージ~/Various Artists MTWD-99071(仕様:CD)
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※全三集からなるシリーズの記念すべき第一作目。本作は、昭和初期の邦人作曲家=童謡という先入観を覆し、知られざる「日本の近代主義」との再会を果たす一枚と言い切れるだろう。本作に収められた昭和7年~28年にかけての作品群は、当時のベルリンやパリの最先端技法を血肉化し、日本人としてのアイデンティティと音楽的語法を練り上げ確率した日本の近代音楽の響きに溢れている。
下總皖一:クラリネットとピアノのための「三つの小品」(1932)
ドイツ留学でパウル・ヒンデミットに師事した下總の、論理的で堅牢な構成美が光る。単なる叙情に流されず、クラリネットという楽器の特性を活かした対位法的な動きと、ドイツ近代和声の知的な響きが、山本正治氏の深みのある音色で現代に蘇る。
清水脩:クラリネットとピアノのための「譚詩」(1941)
合唱の大家としての印象が強い清水ですが、本作ではドラマチックな「語り」の音楽を展開。戦時下の影を感じさせつつも、高い技巧を要求するピアノとクラリネットの対話が圧巻である。
北爪利世:クラリネットとピアノのための「舞曲風小品」
日本の吹奏楽・クラリネット界の礎を築いた北爪による、洗練された逸品。磯部周平氏の熟練の技が、軽妙なリズムの中に潜む近代的な色彩感を浮き彫りにする。
清瀬保二:木管三重奏曲(1938)
日本の土着的な旋律を、ドビュッシーらフランス印象派にも通じる洗練された和声で包み込む清瀬の真骨頂。山本葵氏、三界秀実氏、柿沼麻美氏という名手たちのアンサンブルが、その素朴かつモダンな響きを丁寧に抽出している。
大澤壽人:木管三重奏曲(1935)
ボストンとパリで学び、当時の日本で最も進歩的なオーケストレーションを誇った大澤の、才気溢れる一篇。金子亜未氏らの演奏は、大澤特有の都会的で複雑なテクスチュアを鮮やかに描き出し、彼が当時いかに突出した国際感覚を持っていたかを証明している。
<収録曲>
下總皖一(明治31年-昭和37年)(1898-1962)
クラリネットとピアノのための「三つの小品」(昭7)
①Moderato ②Langsam ③Allegro assai
山本正治(Cl) 寺嶋陸也(Pf)
清水脩(明治44年-昭和61年)
④クラリネットとピアノのための「譚詩」(昭16)
中舘荘志(Cl) 寺嶋陸也(Pf)
北爪利世(大正5年-平成6年)
⑤クラリネットとピアノのための「舞曲風小品」
磯部周平(Cl) 寺嶋陸也(Pf)
清瀬保二(明治33年-昭和56年)
木管三重奏曲(フルート、クラリネット、ファゴット)(昭13)
⑥Moderato ⑦Lento ⑧Moderato
山本葵(Fl) 三界秀実(Cl) 柿沼麻美(Fg)
大澤壽人(明治39年-昭和28年)
⑨木管三重奏曲(オーボエ、クラリネット、ファゴット)(昭10)
金子亜未(Ob) 芳賀史徳(Cl) 長哲也(Fg)
別宮貞雄(大正11年~平成24年)
木管三重奏曲
⑩Adagio ⑪Moderato ⑫Allegro
金子亜未(Ob) 芳賀史徳(Cl) 長哲也(Fg)
[演奏]
①‐③:山本正治(Cl)、寺嶋陸也(Pf)
④:中舘荘志(Cl)、寺嶋陸也(Pf)
⑤:磯部周平(Cl)、寺嶋陸也(Pf)
⑥~⑧:山本葵(Fl)、三界秀実(Cl)、柿沼麻美(Fg)
⑨:金子亜未(Ob)、芳賀史徳(Cl)、長哲也(Fg)
[録音]
①~⑤:2021年12月23日
武蔵野音楽大学ブラームスホール
⑥~⑫:2022年12月23日
武蔵野音楽大学ブラームスホール
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レビュー
(4)
